あん摩
按摩は古代中国で生まれ、奈良時代に日本へ伝わったとされる手技療法で、按摩の按は「おす」、摩は「なでる」という意味をもちます。特徴的なのは、「気血や経絡の変調を整える」という東洋医学の考えに基づいて、体の中心から手足に向かって衣服の上から施術を行うこと。筋肉を手でもみほぐし、血行をよくすることで疲労や肩こりなどを改善させていきます。日本では国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の免許をもつ人のみが行うことのできる施術となっています。
あん摩とマッサージの違い
按摩が古代の中国で誕生し、経穴・経絡を意識した東洋医学に基づくものであるのに対し、マッサージはヨーロッパで生まれ、「皮膚に直接手技を加え、血流を改善する」ことを目的としているのが大きな違いです。また、一般的に「マッサージ」と呼ばれるものの範囲は広く、「按摩」「マッサージ」「指圧」の3つの手技が含まれています。「あん摩マッサージ指圧師」の資格には、これら3つが含まれています。一般的な「マッサージ」に含まれる手法を大きく分けると、「揉む・叩く・押す・さする・こねる・震わせる」の6つに分けることができますが、按摩はこの中でも「揉む」を中心とする施術方法です。
按摩は、筋肉をゆるめ循環を改善させることが目的で、体の中心から末梢の方向に向けて施術を行います。また、他の施術では衣類を着用しない場合も多いですが、按摩は衣類やタオルの上から施術を行います。
一方、マッサージはリンパ等の循環の改善をメインとし、一定の圧力をかけてなでるように施術を行います。按摩とは逆の方向、体の末梢方向から中心に向かっていきます。こちらは洋服やタオル等を挟まず直接皮膚に行い、皮膚への負担を軽減させるために、オイルを用いることも多くあります。
加えて指圧は、衣類やタオルの上からツボ一点への刺激を通して、さまざまな身体機能を調整するのが目的です。
このように、「あん摩マッサージ指圧師」はひとつの資格として設けられていますが、それぞれの施術方法は異なり、対応可能な症状も異なっています。
あん摩の効果
筋肉内組織の血液循環やリンパ液の循環に働きかけ、新陳代謝を促す効果が期待できます。腹部に行うことで、消化吸収を促進させます。さらに刺激を与えることにより、こり固まった筋肉を和らげ、生体機能の調節も図ることができます。
肩こり、頭痛、全身のだるさ・疲労感、めまい、耳鳴り、便秘、腰痛、食欲不振、冷え等、日常的に起こりやすい体の不調のほか、神経痛、麻痺、リウマチ等内因性の疾患、主に血流の低下が原因で起こりやすい諸症状に効果的。現在健康な人でも、健康を維持するために効果的な施術方法です。
按摩は施術の際に、基本的に道具を使用しないのが特徴です。触診をはじめとし、筋肉や関節に配慮するためにも、細かな手の動きのみで治療を行います。特定の道具がないため、施術者には国家資格を通して、生理学や解剖学についての正しい知識を専門の教育機関で学ぶことが求められます。
医療のあん摩
他のマッサージやリラクゼーションのための施術と比較して特徴的なのは、按摩はサロンだけではなく、医療機関や介護施設でも受けられるケースがあることです。また、サロンにおいても医療保険の適用が可能な場合があります。ただし、その際は医師の同意書または診断書が必要となるので、希望時には担当医師やサロンに相談してみましょう。























































































































